(旧)ベイズの定理の使い方を例題を使って理解する

☆改訂しました

記事を投稿してから半年たって改めて見直すと分かりにくい箇所が多かったので、改訂しました。

contents-open.hatenablog.com

☆こんてんつ

何回聞いても良く分からないベイズの定理の使い方を、例題を用いて理解します。

★定理


P(H_{i}|A) = \frac{P(H_{i}) \cdot P(A|H_{i})}{\sum P(H_{j}) \cdot P(A|H_{j})}

各種、意味は下記の通りである。通常の参考書では原因と書かれる部分を、自分なりに分かりやすく理由と書いた。

  • Aを当たり(ATARI)の事象。
  • H_{i}をそれが起こった理由とする。
  • P(H_i|A)は、Aが起こった時という条件の下での理由がH_{i}である確率
  • P(H_i)は、そのそもの理由H_{i}が起こる確率。
  • P(A|H_i)は、H_{i}という理由があるという条件の下での事象がA(当たり)となる確率

要は、最初の一文字目の確率を記述してるんですね。

★例題

当たり券が入っているクッキーを工場Xと工場Yで作っている。工場Xのクッキーには2%の確率で当たり券が、工場Yのクッキーには8%の確率で当たり券が入っている。70%を工場Xから、30%を工場Yから仕入れるとする。仕入れたクッキーを無造作に1個抽出したところ、当たり券が入っていた。この時、このクッキーが工場Xで製造された確率はいくらか?

当たりという事象Aを引いたとき、理由(原因)が工場Xである確率は、


\begin{eqnarray}
P(H_{X}|A) &=& \frac{P(H_{X}) \cdot P(A|H_{X})}{\sum P(H_{j}) \cdot P(A|H_{j})} \\
&=&\frac{P(H_{X}) \cdot P(A|H_{X})}{ P(H_{X}) \cdot P(A|H_{X}) + P(H_{Y}) \cdot P(A|H_{Y} )} 
\end{eqnarray}

それぞれの文字式が意味する所は、下記となる。

f:id:norunblog:20210114220021p:plain

  • Aを当たり(ATARI)の事象。
  • H_{X}を工場がXだという理由〈原因〉とする。
  • P(H_X)は、そのそもの理由H_{X}が起こる確率。(工場Xである確率)
  • P(H_X|A)は、当たった時の理由がH_{X}である確率
  • H_{Y}を工場がYだという理由〈原因〉とする。
  • P(H_Y)は、そのそもの理由H_{Y}が起こる確率。(工場Yである確率)
  • P(H_Y|A)は、当たった時の理由がH_{Y}である確率
  • P(A|H_X)は、工場がXという理由がある時、事象がA(当たり)となる確率
  • P(A|H_Y)は、工場がYという理由がある時、事象がA(当たり)となる確率

よって、


\begin{eqnarray}
P(H_{X}|A) &=& \frac{P(H_{X}) \cdot P(A|H_{X})}{ P(H_{X}) \cdot P(A|H_{X}) + P(H_{Y}) \cdot P(A|H_{Y} )} \\
&=& \frac{0.7 \times 0.02}{0.7 \times 0.02 + 0.3 \times 0.08} \\
&=& 0.368
\end{eqnarray}


当たり券から、原因の確率(このクッキーが工場Xで製造された確率)を求めることができた。