【EXCEL】標準偏差(STDEV.P,STDEV.S,STDEVA…)の求め方の違いを例題を使って理解する

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EXCELには複数の標準偏差の求め方がある。果たして、どの関数がどの式で計算しているかが分かりづらいので、例題をもとに解説する。

標準偏差の数学的な定義の仕方2つ

 X_{1},X_{2},…,X_{n}の標本によって、次の2通りの標本分散が定義される。

\displaystyle eq1) : S=\sqrt{ \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (X_{i}-\overline{X})^ 2 }\\
\displaystyle eq2) : s=\sqrt{ \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^{n} (X_{i}-\overline{X})^ 2 }\

eq1を’母’標準偏差eq2を標本標準偏差などと呼ぶことが多い。

EXCELによる標準偏差の定義6つ(この説明文)

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  • STDEV.P引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を返します (論理値と文字列は除く)。
  • STDEV.S引数を標本と見なし、標本に基づいて母集団の標準偏差の推定値を返します (標本の論理値と文字列は無視)。
  • STDEVP引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を計算します。
  • STDEV:標本に基づいて標準偏差の推定値を計算します。
  • STDEVPA:文字列や論理値を含む引数を母集団全体と見なして、母集団の標準偏差を計算します。
  • STDEVA:標本に基づいて標準偏差の推定値を計算します。

★英語の定義による解説

  • STDEV.PPopulation Standard Deviation (母標準偏差
  • STDEV.SSample Standard Deviation (標本標準偏差

★本題(例題による解説)

標本の例を用いて、定義通り計算したものと、それぞれのEXCEL関数を用いたものを示す。

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★まとめ(Microsoft推奨)

  • nで割った標準偏差を用いたければ、STDEV.Pを用いればよい。
  • n-1で割った標準偏差を用いたければ、STDEV.Sを用いればよい。

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