【EXCEL】分散(VAR.P,VAR.S,VAR…)の求め方の違いを例題を使って理解する

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EXCELには複数の分散の求め方がある。果たして、どの関数がどの式で計算しているかが分かりづらいので、例題をもとに解説する。

★分散の数学的な定義の仕方2つ

 X_{1},X_{2},…,X_{n}の標本によって、次の2通りの標本分散が定義される。

\displaystyle eq1) : S^ 2= \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (X_{i}-\overline{X})^ 2 \\
\displaystyle eq2) : s^ 2= \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^{n} (X_{i}-\overline{X})^ 2\

eq1を’不偏でない’標本分散eq2を不偏分散などと呼ぶことが多い。

EXCELによる分散の定義5つ(この説明文)

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  • VAR.P : 引数を母集団全体と見なし、母集団の分散 (標本分散) を返します (母集団内の論理値と文字列は無視します)。
  • VAR.S : 引数を正規母集団の標本と見なし、標本に基づいて母集団の分散の推定値 (不偏分散) を返します (標本内の論理値と文字列は無視します)。
  • VARP : 母集団全体に基づいて分散を計算します。(この関数は、より精度が高く、その使い方をより適切に表す名前を持つ、新しい 1 つ以上の関数VAR.Pで置き換えられました。)
  • VARPA : 母集団全体に基づいて分散を計算します。
  • VAR : 標本に基づいて母集団の分散の推定値 (不偏分散) を返します。(この関数は、より精度が高く、その使い方をより適切に表す名前を持つ、新しい 1 つ以上の関数VAR.Sで置き換えられました。)
  • VARA : 標本に基づいて母集団の分散の推定値 (不偏分散) を返します。

★英語の定義による解説

  • VAR.PPopulation Variance (母分散)
  • VAR.SSample Variance (標本分散)

★本題(例題による解説)

標本の例を用いて、定義通り計算したものと、それぞれのEXCEL関数を用いたものを示す。

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★まとめ(Microsoft推奨)

  • nで割った分散を用いたければ、VAR.Pを用いればよい。
  • n-1で割った分散を用いたければ、VAR.Sを用いればよい。

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