こんてんつ
二つの正規母集団の母平均の差の検定について述べる。
母分散、が既知か?等しいか?否か?
母平均の差の検定は、検定する二つの母分散、の情報によってやり方が異なる。
- 二つの母分散、が既知の時。
- 二つの母分散、は未知であるが、等しい時()。
- 二つの母分散、は未知であり、等しいとは限らない時()。
母分散、が既知の時
二つの母分散、が既知の時は、
- 標本平均の分布はに従う。
- 標本平均の分布はに従う。
よって、
- の分布はに従う。
よって、これを標準化した
は、標準正規分布に従うので、これを用いて推定や検定を行う。
母分散、は未知であるが、等しい時
母分散、が未知であるが、等しいと分かっている時は、
- の分布はに従う。
が、しかし、が未知であるから、代わりに合併した標本分散で推定する。これは、
である。ここで、標準化した、
は標準正規分布に従う。これに対して、標本分散で代用した2標本t統計量、
は、自由度のt分布に従い、これを推定や検定に用いる。
母分散、は未知であり、等しいとは限らない時
- 標本平均の分布はに従う。
- 標本平均の分布はに従う。
よって、
- の分布はに従う。
よって、これを標準化した
は、標準正規分布に従う。が、しかし、、が未知であるから、代わりに標本分散、で推定する。これは、
であるが、この場合の検定統計量は、ウェルチの近似法より、自由度が
に最も近い整数のt分布に従い、これを推定や検定に用いる。