こんてんつ
一般化されたフックの法則を応力成分について解く。次の2通りで導出を実施する。
- 導出1(式変形による導出)
- 導出2(行列の逆変換による導出)
結論
各種成分について
総和規約による表記
復習
一般化フック則(ひずみ成分に対する表記)
参考記事
上記式の導出は、この記事を参考に。 contents-open.hatenablog.com
各種文字
- 変位
- 垂直ひずみ
- せん断ひずみ
- ポアソン比
- 縦弾性係数(ヤング率)
- 横弾性係数
- 垂直応力
- せん断応力
導出1(式変形による導出)
ひずみ成分に対する一般化フック則より、
これを全て足し合わせて、
を得る。ここでを消去するために、に対する式から、次の式を準備する。
よって、
となり、これをについて解けば、
を得る。他の成分についても同様にして、
を得る。これが、一般化フック則の応力成分に対する表記である。一方、せん断応力に対する成分は、
である。以上を、総和規約に従って書き表すと、
導出2(行列の逆変換による導出)
コンプライアンス行列の作成
ひずみ成分に対する一般化フック則を行列成分で書くことを考える。
より
となるが、行列を次のように書き換える。
直接表現で略記すると、
である。このをコンプライアンス行列と言う。
弾性係数行列への逆変換
コンプライアンス行列を逆変換して、応力成分表記にすることを考える。
このを弾性係数行列と呼ぶ。はの逆行列なので、を計算すると次のようになる。
ここでは次のように定義する。
例えばここで、成分について求めてみよう。の各成分はコンプライアンス行列にて定義されているので、
の様に求めることが出来る。但し、は次のように計算した。
同様にして、他の成分についても求めると弾性係数行列は次のように書ける。
応力成分表記の一般化フック則の導出
さて、直接表現の応力成分表記の一般化フック則より、
であった。これを再度行列を用いて書き下すと次の様になる。
例えば、成分について書き下すと、
となり、一般化フック則の応力成分に対する表記が得られる。他の成分に対しても同様の操作をすればよい。