こんてんつ
平面応力状態を仮定した直交異方性材料(特に横等方性材料)のコンプライアンス行列を導出する。
説明
CFRPやGFRPを代表とする、繊維強化プラスチックは薄肉で使われることが多い。そこで、厚さが極めて薄く軸方向の応力は無視できるほど小さいという仮定の平面応力状態を用いて、直交異方性材料のコンプライアンス行列と、その独立変数の数が4つであることを導出していく。
前提
等方性材料の平面応力状態についての説明は下記を参考にすると良い。 contents-open.hatenablog.com
通常の直交異方性材料のコンプライアンス行列については下記を参考にすると良い。 contents-open.hatenablog.com
本題
次のように座標系を取った直交異方性材料を考える。
一般化フック則は次の通りであった。
平面応力状態の仮定を考えて、一般化フック則は次のようになる。
1-2平面の成分のみを取り出して、コンプライアンス行列を表すと次のようになる。
これの逆行列を取って弾性係数行列は、
と書ける。ここで、行列の対称性(ベッチの相反定理)より、
を考える。すると、平面応力状態を仮定した直交異方性材料の独立変数はの4個になることが分かる。